2019会津娘「穣」シリーズがスタートとなります。昨年9月の台風19号による精米工場の水没により、各圃場のお米が被害を受け今期はイレギュラーな展開となります。今回の出荷は2種併せて720mlで3,800本という少量出荷となります。ひとつづつご紹介申し上げます
この土地の穣(みのり)を醸(かも)す
当蔵では地元会津の米・水・人で造り上げる『土産土法』をテーマに掲げ、地元会津産の酒米『五百万石』を主に酒造りに取り組んでおります。
生き物を育てる酒造りで、全く同じお酒ができることはほぼありません。酒米づくりでも、 その年々の気候はもちろん土、 風、 水、 陽のあたり全てが田んぼごとに違い、同じ品種であってもそれぞれ面白いくらいにその土地の性格がよく現れたお米に育ちます。
正にテロワールそのものですが、日本酒の味わいは、 原料であるお米と水以上に、造る人によって決まります。とはいえ日々の米作り ・酒造りのなか、気付かされたこの 『土産土法』 の醍醐味をお酒を通じて伝えたいという思いがあります。この場所でしかできない私達にしかできない酒造りで何ができるか、髙橋庄作酒造店としてのひとつの答えがここにまとまりました。
ひとつの田んぼからひとつの商品をつくる
これからの会津娘では、会津の酒造好適米だけで造る純米酒を基本に、その中から更に「一枚の田んぼで穫れた米ごとに仕込む純米吟醸酒」を酒造りの中心に据えて 圃場限定会津娘『穣じょう』 として、 田んぼごと季節ごとに蔵出しをしていきます。初年度、 四町歩の自社田の中から特徴的な七枚の田んぼを選びました。今後次なる自社田さらに契約農家さんそれぞれとっておきの田んぼへと、 『穣じょう』 は拡がっていきます。お米からお酒を造る、 という変わらずにに積み重ねていく営みのなかで、 年々の気候や蔵の様子も全て私たち自身の年代記のように〝ヴィンテージ〞として味わいに籠(こ)め『土産土法の酒造り』 のその先を目指しこれまで以上に深く向き合い取り組んでいきます。
■会津娘「穣」花坂境22穂つむぎ■
スペック:純米吟醸酒
原料米:2019年会津若松産五百万石55%精米
今期「花坂境22」につきましては、「花坂境22」圃場のお米を主に、昨年9月の台風19号被害後に救済できた自社五百万石米をすべて合わせて1本の醪とし「花坂境22穂つむぎ」と致しました。
日本酒度:±0
酸度:1.4
度数:16度
火入れ:1回(要冷蔵)
蔵出し本数:1880本(720ml)
本体価格:2,000円(720ml)
■会津娘「穣」羽黒前27■
スペック:純米吟醸酒
原料米:会津若松産五百万石55%精米(有機米)
圃場:会津若松市門田町一ノ堰羽黒前27番地
水田土壌区分:Se[関本統]
特等米産出圃場 東西風抜けが良く、日照も充分。やや早熟ですがしっかりとした、丈夫で艶・粒揃いの良い『五百万石』に育ちます。
日本酒度:±0
酸度:1.4
度数:16度
火入れ:1回(要冷蔵)
蔵出し本数:1,972本(720ml)
本体価格:2,000円(720ml)
2番目の有機圃場。福島県『有機実証圃。保肥力はあまり高ありませんが柔らかく四方風抜けの良い田んぼ。2007年に有機JAS認証取得。中粒でやや硬質な『五百万石』に育ちます。