震災による津波と原発事故により浪江町より避難され山形県長井市でお酒を醸されております「磐城壽」鈴木酒造店さんより、今期の「甦る」が発売となりました。
■磐城壽「甦る2022」■
一滴の水・一粒の米が酒になるように思いやりと心意気の輪は限りなく
スペック:純米吟醸酒火入れ
原料米:さわのはな55%精米
原料米生産者:福幸ファーム
日本酒度:0~+2
酸度:1.4~1.6
アルコール度数15度
クール便設定:無
本体価格:2,600円(1.8L) 1,400円(720ml)
元々このお酒は鈴木酒蔵店さんが蔵を受け継ぐ前の「東洋酒蔵」時代に、山形県長井市が循環型社会(農業)を目指し、一般家庭ごみを回収し堆肥に換え、農作物や加工品を作る「レインボープラン認証」を受けた「さわのはな」米を使用し販売しておりました。
福島県内から長井市に避難した方々が、「福幸ファーム」を運営し「レインボープラン」を活用した安心安全な農作物を作っております。「郷の粋」である農業にて積極的に地域コミュニティに加わり交流する姿を見て何か蔵元で出来ないかと考えていた折に、「さわのはな」米での醸造以来を受け、販売にいたりました。
このお酒はいわば避難者が手がけたお酒です。別々の故郷を持ちつつも長井の土で、生きる思いを胸に決め、これに応える様に長井で長年親しまれ何時しか幻の米と呼ばれるようになった貴重な「さわのはな」の種子を農家さんから特別に譲っていただきました。また事有るごとに農業指導してくださった御厚意の詰まったお酒です。
避難者の方が、人とのふれあいを通し気持ちの交流の場を得て益々活動の場が広くなっていってくれれば、そして陽の循環の輪を具現した酒にこの新「甦る」がなれればと思うお酒です。
このお酒は避難児童・生徒たちの支援の酒として避難児童の野外活動支援や福島・宮城の仮設住宅でのワークショップ等の活動をされているNPO「葉っぱ塾」さまへの支援、また被災地で問題になっている文化の分断に対し、食文化を「繋ぐ、甦るプロジェクト事業」を新たに立ち上げ、運用費用に充てる予定です
避難者の方々の状況はその置かれている立場で益々複雑化し、原発災害の根深さを改めて痛感させられます。田んぼから始まる「甦る」の製造・販売を通じ、震災を忘れず微力ながら被災者への明日への一歩へ繋げる事、陽の循環を目指しますので、変わらぬお力添えを頂戴し、一人でも多くの方へお伝え頂けます様宜しくお願い申し上げます。
青りんご系の清々しい香り、透き通る綺麗な酸に仄かな甘みが寄り添います。好適米ではない「ご飯」らしい旨み、火入れしたこなれ感と雑味のない透明感のあるボディの中を凛々しい酸とシッカリと感じる辛さで全体にシャープな印象。冷やから常温、お燗も映える万能で素晴らしい味わいとなりました。食事と一緒に楽しんで頂ける格好の味わいです。