植木屋HPご覧の方で、知らない方はいらっしゃらないかと思います。
津波により蔵を失い、原発事故で故郷を離れざるを得なくなりました浪江町「鈴木酒造店」さまです。
望郷の地へ戻るため、山形県長井市で長井蔵を設け復興へ進み始められました。
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造り:本醸造(特定名称しておりません)
原料米:山形県産出羽燦々65%精米
度数:16.0-16.9度
火入れ:なし(本生おりがらみ)
本体価格:1905円(1.8Lのみ)
この新酒と一緒に届きました蔵元からの御礼状です。
「年の瀬を迎え、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
全てを諦めてもしょうがない災害から、ようやく辿り着いた再出発を迎えることができました。
これも皆様から頂いた変わらぬご支援のお陰です。事業再開後初出荷にあたり改めて厚く御礼申し上げます。
皆様と私共にとってこの記念的な酒のご案内を、忙しさに追われ直接申し上げる事ができず、誠に申し訳御座いません。
避難生活が日常化してきた人たちによって悲しいのは今の自分たちを受け入れる事です。
原発事故によりしなくてもよい選択を強いられ、縁のあった人たち、家族であっても二重・三重生活が当たり前の離れ離れの生活を余儀なくされ、希望を満たす容器を失ったままです。
そこに育ち、多くを育てたあの土地の未来を取り戻すのは私たちの世代しかありません。
一次産品が豊かな浪江町、そして私共の請戸地区。その周辺文化とこれを担う人たちが私共の誇りでした。
生まれ育った土地に帰れない私共にとって風評被害はどんなにつらいものか、人としての尊厳を維持できない原発事故の避難者、そして福島県は底の見えない深みに嵌ったままです。
ただ希望として、大きな問題様々な問題に直面した福島の人たちと事業者は必ず近い将来、ものづくりの新スタンダードを皆様に提唱する事でしょう。
それは自分の未来を信じる為。福島の未来、強いては浪江の未来にかけるため磐城壽には、できる限り福島県産の原料米を使用していきたいと考えております。その為の安全は弊社がすべて担保する覚悟です。
生まれ育ち、皆様と分かち合った土地、空気、文化を取り戻す為、できる限りの事をしていきます。
途方もない時間となることは理解しておりますが、今までの地縁とこれから新しく出来る地縁をより多くの人たちに紡ぎ、
多くの歓びを分かち合える酒を目指し、皆様のご協力を仰ぎながら磐城壽を醸して生きたいと考えておりますので、
変わらぬお付き合いの程宜しくお願いいたします。」
この文章には強い意志があります。
私共で今期23BYより磐城壽を売らせて頂く事になりました。
ほんの少し考えただけで涙が止まりません。
幕末の無情な戦争で全てを失った会津人の心情を、我々は今に受け継ぎそれを背負って生きております。
震災以降の今回の事件は、戦争のような悲惨さ、不条理な思いを強く感じ、他人事でない切なさでいっぱいです。
植木屋では力いっぱい込めてこのお酒を売らせて頂きます。
少しづつ進み始めた福島の復興を、これからの磐城壽のお酒で感じてください。
ご注文頂く際には、是非蔵元へのエールも沿えてお願いいたします。
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